情報通信経済学
パーソナルデータ・OTT・IoT/AI・情報通信インフラの経済分析
t-koguchi(@)inf.shizuoka.ac.jp
近年、個人情報保護法の改正やパーソナルデータ利活用のための制度設計がおこなわれています。 法制度に関する法学的研究が多いこの分野で、制度設計に貢献できる経済学的なアプローチを目指しています。
近年、さまざまな分野でパーソナルデータを活用した新たなサービスが展開され始めています。 インターネットの世界のみならず、「電力+パーソナルデータ」、「車+パーソナルデータ」など、そのような新たなサービスがどれほどインパクトを持っているのか、 またサービスが実現するための制度的な課題は何か、などについて分析しています。
パーソナルデータの他にも、私たちにとって価値を持つ「情報」はたくさんあります。 例えば、私たちは商品やサービスを購入するとき、その商品やサービスの品質だけでなく、どういう企業が提供する商品・サービスなのかという「ブランド」にも影響を受けます。 これまでの研究でも、「ブランド」という「情報」がサービス選択や品質評価に影響を与えることがわかってきています。 こういった「ブランド」、さらには「技術」などの「情報」にどういった価値があるかを分析しています。
インターネットサービスの多くは、ひとつのサービスのなかにたくさんの「機能」「要素」を含んでいます。 インターネットショッピングサイトを考えても、「商品の詳細画像が見られる機能」「試聴機能」「価格比較機能」など、いくつもの機能が思い浮かびます。 一方で、これらの機能ひとつひとつがどの程度私たちにとって意味あるものか、感覚以上のことはなかなか分かりません。 そこで、こういった機能を定量的に比較、評価し、利用者にとってより便利なサービスを構築する分析をおこなっています。
多くの場合、「モノ」は、特定の企業が生産したものであり、私たちはその企業の「モノ」を使っていると捉えます(○○社の車に乗る、○○製菓のお菓子を食べる、など)。 一方で、「スマートフォンで動画を見る」ためには、「○○と携帯の契約をして、××製の端末を使って、△△のOSで、□□の動画サイトに行って、☆☆がupしている動画を見る」 というふうに、たくさんの企業が直接私たちと関わっていて、その競争は複雑です。そのような複雑な競争を分析・評価します。
研究室で取り組む内容、卒業研究のテーマ、学外での活動などについて紹介します。
研究室では、研究の基本として“経済学・経営戦略の基本的な考え方”、“経済・ビジネスにおける、情報・通信の、他の財・サービスとは異なる特質”を勉強します。
その後は、メンバーの関心に合わせて内容を決めます。また、科学的方法・論理的思考、プレゼンテーションのスキル、などについても身に着くように心がけています。
みんなで食事をしたり、どこかへ行ったり、何かに参加したりします。みんなで研究室を楽しみます。
これまでの活動例
マクロミル「マーケティング戦略立案コンテスト『EDGE』」、情報通信学会次世代ネット政策研究会、大学交流、企業訪問(LINE等)、アプリ・サイトの作成
化粧品におけるブランドイメージ
知覚効果の相違と購買意欲
個人情報漏えいに対する価値認識
支払い方法の相違と消費行動
忘れられる権利の経済分析
個人向けIoTサービス
購入につながるクリック
規約への同意とサイトデザイン
現代アートにおけるゾーニング
ダイエット広告と女子大生の意識
"誕プレ"の決定要因
味覚の相違と商品選好
情報銀行の経済分析
ディズニーにおけるBGS
ゲーム実況の視聴意向
飲食店における口コミ効果
性別欄の経済分析
空港における顔認証システム
連続ドラマでの違法動画の影響
ソーシャルメディアマーケティング
宇留賀大誠(情報学専攻)
吉村瞭 (情報学専攻:社会人)
小関敦生 (情報社会学科)
黒須咲菜 (行動情報学科)
齋藤志織 (情報社会学科)
杉本果穂 (情報社会学科)
守木悠太郎(情報社会学科)
森田花梨 (情報社会学科)
学歴
1993年3月 福岡市立大池小学校 卒業
1996年3月 西南学院中学校 卒業
1999年3月 福岡県立修猷館高等学校 卒業
2003年3月 九州大学経済学部経済工学科 卒業
2006年3月 九州大学大学院経済学府経済システム専攻修士課程 修了(修士(経済学))
2009年3月 九州大学大学院経済学府経済システム専攻博士後期課程 修了(博士(経済学))
職歴
2009年4月~2011年3月 総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 事業政策課 主査
2011年4月~2012年3月 静岡大学情報学部情報社会学科 助教
2012年4月~2013年3月 静岡大学情報学部情報社会学科 講師
2013年4月~2014年3月 静岡大学大学院情報学研究科 講師
2014年4月~2015年3月 静岡大学大学院情報学研究科 准教授
2015年4月~2021年3月 静岡大学学術院情報学領域 准教授
2021年4月~ 現職
職歴(その他)
非常勤
福岡工業大学短期大学部「e-ビジネス論」(2007年度~2008年度)
財団法人九州経済調査協会調査研究部 嘱託(2007年12月~2008年3月)
聖隷クリストファー大学「経済学」(2014年4月~2019年9月)
聖隷クリストファー大学「情報処理」(2015年4月~2018年9月)
委員等
中央大学経済研究所 客員研究員(2009年4月~2017年3月)
財団法人日本情報経済社会推進協会 情報財検討作業部会 委員(2013年11月~2014年2月)
総務省 情報通信政策研究所 特別研究員(2014年4月~現在)
公益社団法人 日本経済研究センター (現)未来経済社会研究会 メンバー(2015年1月~2019年9月)
日本生産性本部 情報化推進国民会議 特別委員会委員(2016年8月~2017年2月)
内閣府委託調査「生産性向上に向けた企業の新規技術・人材活用等に関する検討会」 委員(2017年3月)
公益社団法人 日本経済研究センター 特任研究員(2017年4月~現在)
Organizing Committee of the 14th ITS Asia-Pacific Conference (ITS Kyoto 2017)
総務省 生体電磁環境に関する研究戦略検討会 構成員(2018年1月~3月)
国際大学GLOCOM 客員研究員(2018年7月~現在)
総務省 情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会 構成員(2019年1月~現在)
総務省 電気通信市場検証会議 構成員(2019年10月~現在)
一般財団法人 情報法制研究所 上席研究員(2019年10月~現在)
総務省 AI経済検討会 データ専門分科会 構成員(2019年12月~現在)
総務省委託事業(野村総合研究所) 実効性のある通知・同意取得方法の在り方に関する検証協議会 構成員(2020年6月~2021年3月)
一般社団法人 日本IT団体連盟 情報銀行認定委員会 委員(2020年11月~現在)
総務省 電気通信市場検証会議 公正競争確保の在り方に関する検討会議 構成員(2020年11月~現在)
総務省 情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会 認定・運用WG 構成員(2020年11月~現在)
総務省 デジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会 データ活用WG 構成員(2021年2月~現在)
総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 IPネットワーク設備委員会 事故報告・検証制度等TF 構成員(2021年3月~現在)
総務省 情報通信行政・郵政行政審議会専門委員(2021年4月~現在)
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